【スタメン】
ケイ
夜光
吉野
ギィ
ソテツ
【原典/翻案】
ジュール・ヴェルヌ作
小説「八十日間世界一周」
【あらすじ】
1872年のロンドン。資産家のフィリアス・フォッグが所属する紳士クラブでは「イギリス領インド帝国に新たに鉄道が設けられたことにより、80日で世界一周ができる」という新聞記事について討論されていた。フォッグはこれを実現可能と主張。自身の財産の半分である2万ポンド(現在の日本円で約15億円)を賭け、残り半分の財産を旅費として自ら立証してみせるとし、フランス人召使のパスパルトゥーを伴い出発。午後8時45分発の列車でロンドンを発ち、80日後となる12月21日(土)午後8時45分までに紳士クラブに顔を見せることとなった。
刑事のフィックスは、英国銀行で起きた強盗事件の容疑者の容姿がフォッグに似ていることから彼を尾行していた。エジプトのスエズ運河に到着したフォッグたちが、インド西海岸の都市ボンベイ(現ムンバイ)行きの蒸気船に乗るのを確認すると自らも乗船し、船内でパスパルトゥーに目的を隠して近づき顔見知りとなった。
ボンベイからは鉄道で植民地政府の首都であるカルカッタ(現コルカタ)を目指すルートだったが、鉄道は途中の区間がまだ完成していなかった。そこで代わりの手段として象を購入し、それに乗って未完成区間を移動した。途中、儀式の生贄にされそうになっていたインド人の女性アウダを救出し、彼女を連れたままカルカッタに到着。次の目的地である香港へ向かう蒸気船に乗船した。少し遅れてカルカッタ入りしたフィックスも、同じ蒸気船に乗り込むと、偶然の再会を装ってパスパルトゥーの前に姿を現した。
フォッグを逮捕するのはイギリス領土内でなければならないため、フィックスは香港で逮捕令状が出るまでの時間稼ぎを画策した。パスパルトゥーは、次に乗る横浜行の蒸気船の出港時間が予定より早まったことをフォッグに伝えなければならなかったが、フィックスの妨害により、自分だけが乗船して出港してしまう。
横浜行きの船に乗り遅れたことに気づいたフォッグは、元々横浜で乗船予定だったサンフランシスコ行きの船の出港地である上海まで移動し、直接その船に乗り込むことにした。そして、足止めを諦めたフォッグは、小型船の船長に大金を渡して上海へ向かおうとするフォッグに同行を願い出る。上海までの海は大荒れだったが、3人は無事に横浜経由サンフランシスコ行きの船に乗ることができた。そして横浜に寄港した際に、無一文になりサーカスに身を寄せようとしていたパスパルトゥーを発見した。
横浜からサンフランシスコに渡った4人は汽車でニューヨークを目指すが、途中、インディアンの襲撃に会い、他の乗客と一緒にパスパルトゥーが連れ去られてしまう。フォッグは旅を中断して彼の救出を優先し、パスパルトゥーは無事に救出された。そして遅れを取り戻すためにソリを買って最寄駅へ急ぐと、どうにか予定通りの汽車に乗りこみ、シカゴ乗り換えでニューヨークへ向かった。
4人がニューヨークに着くと、そこからイギリス北部の港町リヴァプール行きの蒸気船に乗る計画だったが、船は既に出航した後だった。そこでフォッグは、フランスのボルドーへ向かう商船に乗り込み、船員たちを買収してリヴァプールへ進路変更させた。
途中、トラブルがありつつも、イギリスを出発して80日目の午前1時にリヴァプールへ到着。ロンドンへは汽車で6時間程のため、余裕で期限に間にあうはずだったが、イギリス領に入った途端にフォッグはフィックスに逮捕されてしまう。フィックスは横浜で逮捕令状を密かに受け取っていたのだった。
ところが、銀行強盗の真犯人が3日前に逮捕されていた。釈放されたフォッグはフィックスを殴ると急いで駅に向かったが、ロンドンへ到着したのは午後8時50分、期限より5分遅れだった。彼は紳士クラブへは向かわず、そのまま自宅へ戻った。
翌日、アウダに対して、ロンドンまで連れてきてしまったこと、さらに経済的に支えることができなくなったことフォッグが詫びると、彼女は2人でなら苦境を乗り越えられる、自分を妻にしてほしいと言った。フォッグとアウダは旅行中に想い合うようになっていたのだ。フォッグは明日の月曜日に結婚式を挙げる手配をしようと、パスパルトゥーを教会に使いに出した。しかし「明日は日曜日だから」と断られたことで、パスパルトゥーは今日が12月21日(土)だと知り、急いでフォッグの元に戻った。彼らはイギリスから東回りに進み日付変更線を跨いだことで1日分日付がずれていたのだ。
紳士クラブには賭けの話を聞きつけた新聞記者や市民が結果を見届けようと押し寄せている。期限の12月21日(土)午後8時45分、フォッグは紳士クラブに姿を現し、世界一周の旅は成功に終わった。
トラブル続きで予定外の出費が相次いだ旅だったため賭けの儲けはなかったが、アウダと巡り合えたことでフォッグには非常に意味のある旅となったのだった。
【参考】
・縦書き文庫 ジュール・ヴェルヌ 80日間世界一周
・八十日間世界一周 - Wikipedia
・八十日間世界一周 - 八十日間世界一周の概要 - わかりやすく解説 Weblio辞書
【PV】
www.youtube.com