【原典/翻案】
ウェルディ作曲
歌劇「タンホイザーとヴァルトブルクの歌合戦」
(歌劇「タンホイザー」と略されることがありますが、上記が正式名称です)
【曲名について】
Somewhere:何処か
(中学英語レベルなのに、ググってしまった。。。 )
【原典概要】
・タンホイザー:騎士の吟遊詩人
・エリーザベト:タンホイザーの恋人。領主ヘルマン1世の姪
・ヴォルフラム:タンホイザーの親友で、騎士の吟遊詩人
・ヘルマン1世:領主。タンホイザーの君主
・ヴェーヌス:快楽の女神
※「吟遊詩人」の解説は Treasured の【原典/翻案】に記載してあります。
禁断の地とされる異世界ヴェーヌスベルクにある洞窟で、タンホイザーは女神ヴェーヌスによって与えられる肉欲に溺れる生活を送っていた。しかし、快楽を堪能し尽くし、ヴェーヌスベルクでの生活に飽きてしまったタンホイザーは、人間の世界に帰りたいと思うようになっていた。ヴェーヌスは裏切りは許さないとばかりに引き留めてくるが、タンホイザーが"聖母マリア"に祈ると、ヴェーヌスの姿は消え、ヴェヌスベルクの世界は消滅した。
タンホイザーは、自分がヴァルトブルク城近くの谷に放り出されたことに気づき、地上に帰ってこられたと安堵する。ちょうどそこへ、タンホイザーの君主であるヘルマン1世の一行が通りかかり、彼の姿を見つける。行方不明になっていたタンホイザーが帰ってきたことを皆が喜び、城仕えに戻るようタンホイザーに勧めてくるが、禁断の地に身を投じたことに罪の意識を感じているタンホイザーは、それを拒否して旅立とうとする。しかし一行の中にいたタンホイザーの親友ヴォルフラムが「エリーザベトは君が帰るのをずっと待っている。」と呼びかけた。恋人への思いに心が揺れたタンホイザーは、城仕えに戻ることを決意する。
一行と共にヴァルトブルク城へ戻ったタンホイザーは、エリーザベトと再会を果たし、二人は喜びを情熱的に歌い上げる。
そのとき、ヘルマンが歌合戦の開催を宣言した。その日はちょうど歌合戦が開かれる予定だったのだ。貴族や騎士が続々と集まる中、ヘルマンは歌合戦の課題を「愛の本質」であるとし、勝者にはエリーザベトから賞が与えられることを告げた。
まず最初にヴォルフラムが「愛の純粋さ」を歌ったが、タンホイザーはそれを否定するかのように「官能的な愛」を歌った。そして「愛の徳」や「愛と名誉」を歌う詩人たちが続く。分か悪いと感じたタンホイザーは、女神ヴェーヌスを賛美する歌を歌いはじめる。そして、それを聴いた人々は、タンホイザーが禁断の地ヴェーヌスベルクにいたことを理解し非難しはじめるが、エリーザベトが間に割って入り、償いの機会を彼に与えてほしいと訴えかけた。ヘルマンは、ローマに巡礼し罪を償い教皇の許しを得てくるようにタンホイザーに命じたのだった。
エリーザベトはタンホイザーのために"聖母マリア"に祈り続けている。そして、それを見守るヴォルフラム。彼はエリーザベトを愛しいているが、その想いは密やかなものだった。
ちょうどそこに、ローマ巡礼を終えた人々の列が現れるが、その中にタンホイザーの姿はなかった。エリーザベトは自分の命を差し出すので、願いを叶えてほしいとマリア像に必死に訴えかけはじめた。ヴォルフラムは慌てて止めにはいるが、エリーザベトは目の前に開かれた道へ歩みを進め、次第にその姿は見えなくなってしまった。
ヴォルフラムが天を眺めながら、エリーザベトの無事を祈っていると、タンホイザーが現れた。ローマ教皇の許しを得られず破門されたタンホイザーは、絶望のあまり自暴自棄になりヴェーヌスベルクに行こうとして彷徨っているところだった。タンホイザーはヴォルフラムに、ヴェーヌスベルクへの行き方を尋ねる。ヴォルフラムが制止すると、ついにはヴェーヌスの名を叫びはじめた。
すると辺りが突然明るくなり、ヴェーヌスベルクが出現し、手招きするヴェーヌスの姿が見えた。タンホイザーは誘いに応じようとするが、ヴォルフラムは必死に引きとめエリーザベトの名を叫んだ。それにより、タンホイザーは我に帰り、ヴェーヌスベルクは消滅する。
するとそこへ、エリーザベトの葬列が現れた。ヴォルフラムが顛末を伝えると、絶望したタンホイザーは彼女の棺に倒れこみ息絶えるのだった。エリザベートの献身愛とその命により、タンホイザーの罪は浄化され、死によって魂が救済されたのだった。
=====
このオペラの主題は「愛による救済」とされています。しかし、精神愛・献身愛の絶対的勝利が表現されているのかというと、そうでもないようで、さまざまな解釈があるようです。
歌合戦の内容で、タンホイザー以外の詩人はみな、愛について「汚してはならないもの」とか、「心を暖かくするもの」とか、「騎士に勇気を与えるもの」とか、理想を歌いあげます。そしてタンホイザーはそれに反論する。
理想と現実の対比。タンホイザーは快楽主義を「現実」として歌うのです。それを聴いたものは、心の中では共感しつつも、けがらわしいとしてそれを認めようとしない。そして、実はエリーザベトがタンホイザーの歌に賛意を示そうとする描写があるそうです。これを、タンホイザーのすべてを受け入れる献身的な愛ととらえるのか、タンホイザーの歌う現実への共感とみるのか。。。
さらに、ヴォルフラムの姿も献身愛を表現しています。ですが、死への道を歩んでいったエリーザベトのことを思ってヴォルフラムが歌うアリアが「夕星の歌」という曲名なのですが、この「夕星」というのは金星、つまりVenus(英語読み"ヴィーナス"、古代ラテン語では"ヴェーヌス")なのです。ここにもワーグナーの思惑が隠されている、との見解があるようです。
ワーグナーがこのオペラで伝えたかった事とは、いったい何だったのか。その答えは観客に委ねられているようです。
【参考】
・タンホイザー あらすじ −わかる!オペラ情報館
・『タンホイザー』あらすじと解説(ワーグナー)
・タンホイザー・あらすじと解説・いくつかの版がある | オペラディーヴァ
【MV】
TeamB「Somewhere」MV - YouTube
【歌詞】
2021/04/04 歌詞を削除いたしました。
【ひとりごと】
ひとりごとの前に、英文の雰囲気和訳です。
=====
If Lady Luck smiles at us, we'll meet again
幸運の女神が僕たちに微笑んだら、僕たちは再会するだろう。
What should I do? What should I do about this feeling
僕はどうすればいい?この気持ちをどうすればいい?
Our paths may cross in the future
いつの日か僕たちの道が交わるといいな。
I hope our destiny will bring us together
運命が僕たちを引き合わせてくれると願うよ。
=====
はぁ~~~
なんか切ないね(´;ω;`)
チームBに泣かされるとは思ってもみなかった(<-失礼)
って!泣いてる場合じゃない!! もしかして、また原典なし?と思ったら 、ちゃんとありましたね。。。 ちょっとビックリ
( ゚∀゚)アハハ
歌劇「タンホイザー」序曲というタイトルで、単体で演奏されることが多いオーケストラ曲があります。割と有名で、CMに使われたりしているので、聴き覚えがある方も多いと思います。
ロード画像に「タンホイザー」って見えたので、ん?PurpleDawnと同じパターンで楽曲原典なの?と思ってしまったぐらい。
あっ、そっか、タイトルまんまの「歌劇」の序曲じゃん。原典は「歌劇」の方ね。。。