【ブラスタ】BLACKSTAR~Theater Starless~ 曲 解説メモ

ブラスタの公演楽曲、演目の原典等について調べたことを書いています。

続きは明日の夜に

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【原典/翻案】
説話集「千一夜物語」

「千一夜物語」は9世紀頃に書かれたアラビア語の説話集で、現在では「千夜一夜物語」と呼ばれることが多くなっていますが、原本のタイトルを直訳すると「千と一夜の物語」となっていて、最初にヨーロッパで翻訳されたときのタイトルは「1001の夜」だったそうです。また、「アラビアンナイト」との呼称もありますが、これはイギリスで出版されたときのタイトル "Arabian Nights Entertainments" が元となっています。

1001はアラブ圏では「数が多い」という意味の言葉だったそうです。それが、翻訳の際に物語の数と誤解され、数合わせのために原本にはないアラブ圏っぽい物語をどんどん付け加えていったそうです。現在、千一夜物語に含まれている「船乗りシンドバッドの物語(シンドバッドの冒険)」、「アラジンと魔法のランプの物語」、「アリ・ババと四十人の盗賊の物語」は、すべてアラビア語原本には存在しない物語だそうです。


【原典概要】
[序章:シャフリアール王とその弟シャハザマーン王の話]
シャハザマーン王は、兄のシャフリアール王の宮殿へ向かう途中、忘れ物をしたことに気づき引き返す。するとそこで、妃が奴隷のひとりと浮気しているのを見てしまった。シャハザマーン王は2人を殺し、傷心のまま再度兄の元へ向かった。
到着すると兄は不在だった。そして、兄の妃が20人の男奴隷と20人の女奴隷たちと痴態の限りをつくしているのを目撃し、自分の不幸はましなほうだと元気を取り戻す。
宮殿にもどったシャフリアール王は、妃の行為について聞くと、その現場を確認する。衝撃を受けたシャフリアール王は、弟を連れて宮殿を後にした。

彷徨い歩く2人は、魔人が美しい娘の膝枕で眠りにつくのを目撃する。彼らに気づいた娘は、魔人が寝ている隙に、自分と性交するよう2人に要求し、拒否すれば魔人を起こして2人を殺させると言ってきた。言われるとおりにした2人に対して娘は、同じ方法で570人の男を相手にしてきたと告げる。魔人でさえ、自分たちより酷い不貞にあっているのだと悟った2人は、それぞれ宮殿に帰ることにした。

宮殿に戻ったシャフリアール王は、妃と相手の奴隷たち全員の首をはねた。そして、大臣に街の処女の娘を毎晩連れてくるように命じると、処女を奪って殺すということを繰り返すようになっていた。
そうして街から若い娘がいなくなってしまい、王の命令に従えなくなった大臣が困り果てていると、大臣の娘のシェヘラザードが、王の愚行を止めるべく王との結婚を志願した。シェヘラザードは夜になると王に物語を語って聞かせる。その話が面白く、続きが気になった王は、シェヘラザードを殺すのを1日延期することにした。シェヘラザードは、ある日は盛り上がってきたところで話を切って「続きはまた明日」とし、ある日は「明日のお話はもっと面白いお話ですよ」と期待を煽る。
こうして千一夜物語は紡がれていく。

[物語章]
第1夜~第1001夜までの物語部で構成されている。
船乗りシンドバッドの物語(第290夜 ~ 第315夜)
アラジンと魔法のランプの物語(第731夜 ~ 第774夜)
アリ・ババと四十人の盗賊の物語(第851夜 ~ 第860夜)
など。

[終章]
第1001夜の物語を語り終えたシェヘラザードは、シャフリアール王に3人の子供を引き合わせ、みな王の子であると告げた。その存在に喜んだシャフリアール王は、シェヘラザードを正妻に迎えると誓うのだった。
兄の再婚を知ったシャハザマーン王は、シェヘラザードの妹に求婚した。シェヘラザードが、兄弟夫婦の同居を妹の結婚の条件としたため、シャハザマーン王は王位を放棄。シェヘラザードの父である大臣がその跡を継ぐことになった。
その後、シャフリアール王は、国中の優秀な執筆者を集め、シェヘラザードとの間に起きたすべてを本にまとめさせ、その写本を国中に配布させたのだった。


【参考】
千夜一夜物語のあらすじ - Wikipedia


【MV】
TeamC 「続きは明日の夜に」MV - YouTube


【歌詞】
2021/04/04 歌詞を削除いたしました。


【ひとりごと】
シェヘラザードが語る物語は、話の登場人物がさらに物語を語って、、、という入れ子式になっている箇所が多いため、頭の中を整理しながら読まないと、訳が分からなくなります(私だけ?)
そして、官能小説チックな題材のお話が多いです。性に奔放な登場人物、浮気あり、乱交あり。。。序章からして、1+20+20人ですもんね。ところが、数百話を越したあたりから、淫靡な雰囲気が薄れてきます。アラビア語原本に書かれていた物語と、後に追加された物語の境目がそのあたりなんだろうな、と勝手に推測しています。

この楽曲の"七つの海駆け~姫君を救う"の部分は、シェヘラザードが語った物語の内容を表現していると想像させます。ですが、私が知る限りでは、こんなカッコいい?物語は千一夜物語には存在しないです。全部読んだわけでもないし、読んだものすべて覚えてるわけでもないのですが。。。
”七つの海駆け”だけなら「船乗りシンドバッドの物語」を連想させます。この物語は、シンドバッドが7回航海に出たエピソードとして、第1の航海~第7の航海で構成されています。一般的に、"七つの海"というのは"世界中の海" を表現する言葉なので、世界中の海へ冒険に出たように感じさせるために、航海に出た回数を 7 としたとの解釈があるようで。
でも、"姫を救う"とか、そんなイケメン話あったっけ?
いや、ないと思う。
(全話制覇された方がいらっしゃいましたら、教えてください。)

そこで、スターレス的解釈の出番です。
( *• ̀ω•́ )b☆
この演目は、おそらく観客がシェヘラザード。とすると、この楽曲のシェヘラザードが紡ぐ物語、つまりスターレスの観客が紡ぐ物語、といえば、それはスターレスの演目っていうことじゃないですか!
そう考えると、いろいろと心当たりがありすぎる。

まぁ、歌詞の解釈というのは、感じたとおりがその人にとっての正解であって、人が違えば解釈も異なって当然です。私はこう思う、あなたはこう思った、それは「それは違うと思います」なんて否定できるものでもないですし、自由に、好きなように解釈して楽しめばいいんだと思っています。

なにせ、私は一瞬、駄犬のトラップ(www)にはまって
チームWへの対抗心か!?
七つの海 -> SeasideEscape
嵐 -> 雪花
マスク -> 仮面は闇に溶けて
巡礼 -> BadBlood
剣 -> Payback
、、、姫救ってるやん!全然disってないやん!対戦相手持ち上げてどうするん!
こりゃ違うわ ( ゚∀゚)アハハ
ってなりました。