【ブラスタ】BLACKSTAR~Theater Starless~ 曲 解説メモ

ブラスタの公演楽曲、演目の原典等について調べたことを書いています。

Salva me


【チーム編成】
アプリリリース前投票上位キャラ
リンドウ
ミズキ
モクレン
メノウ
ギィ


【原典/翻案】
チャールズ・ディケンズ作
小説「クリスマス・キャロル」


【曲名について】
カタカナ読み:サルヴァ メ
ラテン語の祈りの言葉で
「我を救いたまえ」と訳される。


【原典概要】
・スクルージ:ロンドンで会計事務所を営む初老の男性
・マーレイ:7年前に死亡した事務所の共同経営者
・クラチット:事務所の従業員
スクルージは、強欲な守銭奴として有名だった。 クラチットを薄給でこき使い、7年前に亡くなった共同経営者のマーレイの葬儀費用は負担しなかったばかりか、棺に入れられた副葬品の小銭を持ち去るほどで、周囲からは嫌われている。
クリスマス・イヴの日、甥からのパーティの誘いを断り、仕事を終えて帰宅した彼の前に、体に長い鎖を巻き付けたマーレイの亡霊が現れた。鎖は生前の悪行に比例して増えるため、スクルージならもっと悲惨になるだろうが、それを回避するために、3人の幽霊がスクルージのところを訪れると言う。

マーレイの言葉通り、幼くも老齢にも見える姿の第一の幽霊が現れる。幽霊はスクルージの腕を握って浮上し、壁を抜け、田舎道まで移動する。
そこでスクルージが見たのは、少年時代から青年時代の自分自身。孤独だったが欲にまみれておらず、素朴な心と夢をもっている。やがて恋人と出会い、すれ違い、破局し、、、 見るに耐えられなくなったスクルージが帽子を深く頭に押しつけると、幽霊は消えていった。

次に、クリスマスのご馳走や贈り物に囲まれた巨体の第二の幽霊が現れた。幽霊は、現在の幸せなクリスマスの光景を見せてくる。
クラチットには、病弱な息子がいる。しかし、彼の家の食卓は、貧しくとも愛に満ちていた。その様子に狼狽するスクルージに幽霊は、以前スクルージが寄付を頼みに来た紳士に対して言った言葉を投げかけてくる。
「世界の人口は多すぎるから、死ぬのは結構なことだ。」
昔の恋人の家では、彼女と夫、子どもたちが楽しそうに過ごしている。「スクルージを見かけた」との会話が聞こえ、スクルージは自分の孤独に気づく。
甥の家ではパーティが開かれていた。甥が「スクルージ叔父さんに!」と声をかけて乾杯すると、スクルージは心が軽くなったのを感じる。
そして最後に「無知」で「貧困」な子どもたちを見せた幽霊は、これもかつてスクルージが言った、「自分が収めた税金で造った牢屋や救貧院があるではないか。」という言葉を残し消えていった。


【参考】
クリスマス・キャロル (小説) - Wikipedia
5分でわかる『クリスマス・キャロル』!あらすじ、登場人物などから解説! | ホンシェルジュ


【PV】
www.youtube.com


【歌詞】
Salva me/ブラックスター -Theater Starless--カラオケ・歌詞検索|JOYSOUND.com


【ひとりごと】

3人の「幽霊」については、「精霊」と訳されるものも多いです。でも、スターレスでは「幽霊」だったので、(ロード中画も、メノウが自分の役について言及したときも「幽霊」なので。。。)合わせておきます。

ディケンズのクリスマス・キャロルについて調べていると、いろいろな考察が目につきます。
多いのは、出版された1843年頃の時代背景や社会情勢と、小説が社会に与えた影響についてです。
イギリスでは、クリスマスは家族で過ごすものだったけれど、当時、都市部ではクリスマスという風習自体が廃れかけていたそうです。それが、この小説により、瞬く間に都市部でもクリスマスが復権し、しかも、「恵まれた者」は「恵まれない者」へ救いの手を差し伸べるべきであるというメッセージ性によって、昔ながらの家族愛より広義な博愛的なものとして認知されるようになったのだとか。