【ブラスタ】BLACKSTAR~Theater Starless~ 曲 解説メモ

ブラスタの公演楽曲、演目の原典等について調べたことを書いています。

暁の願い


【原典/翻案】
泉鏡花 作
戯曲「天守物語」


【主な登場人物】
・姫川 図書之助(ずしょのすけ):播磨守の鷹匠
・富姫:白鷺城(姫路城)の天守最上階に棲む異界の姫


【あらすじ】
播磨守の居城である白鷺城の天守最上階には、異界の者たちが棲んでいる。その主である富姫の元へ、彼女を姉と慕う亀姫が訪れていた。亀姫が手土産として猪苗代城主の生首を差し出すと、富姫は礼として播磨守自慢の白鷹を捕らえて亀姫に渡してしまう。

日も暮れたころ、図書之助が天守最上階へ上ってきた。白鷹を失った罪により切腹を命じられたが、白鷹を探しに天守最上階へ行けばお咎めなしとすると言われたと、訪れた理由を話す図書之助。その勇敢さと実直さに惹かれた富姫は、最上階へ上って来たものは生きて返さない掟があると告げると、二度と来てはならぬと彼を追い返した。

しかし、降りる途中で手燭の灯りが消えてしまい、図書之助は最上階へ戻ってきた。富姫は、このまま最上階で共に暮らさないかと想いを伝える。図書之助は迷ったが、やはり帰ることを選ぶ。富姫は、出逢いの証として播磨守の家宝である兜を彼に与えた。
ところが、兜を持って降りた図書之助は、家宝泥棒として追われることになってしまった。無実の罪で殺されるくらいなら、富姫の手にかけられたほうがいいと考えた図書之助は、最上階へ逃げる。

最上階には、異界の者たちの生命の象徴とされる巨大な木彫りの獅子頭が据えられていて、富姫と図書之助はその中に逃げ込んだ。しかし、追手が獅子頭を囲み、その目を傷つけると、中にいた二人は失明してしまった。富姫が猪苗城主の生首を獅子頭の外へ投げつけると、追手たちはみなこぞって階下へと逃げていった。

図書之助を救えず、たった一度の恋も叶わぬのかと嘆き悲しむ富姫。助かる道はないと悟った二人は自害を決意する。しかし、そこへ突然現れた木彫り師が獅子頭の目を直すと、二人の目も回復。互いを見つめ合い、共に生きることを誓いあうのだった。


【青空文庫】
泉鏡花 天守物語


【参考サイト】
「天守物語」の内容がわかんなくて不安な方の...


【MV】
https://www.youtube.com/watch?v=slF1P60GG3E


【歌詞(MVより)】
2022/04/24 歌詞を削除いたしました。