【ブラスタ】BLACKSTAR~Theater Starless~ 曲 解説メモ

ブラスタの公演楽曲、演目の原典等について調べたことを書いています。

TURNT UP


【原典/翻案】
著者不明
小説「三国志演義」より「桃園の誓い(とうえんのちかい)」


【あらすじ】
行商の帰り道、家で待つ母への土産にと節約して貯めたお金で貴重な茶葉を買い求めた劉備現徳は、反乱軍の黄巾賊に襲われ、茶と家宝の剣を奪われた。黄巾賊の仲間のふりをして反撃の機会を窺っていた張飛翼徳は、劉備を助け茶葉と剣を取り返した。劉備は礼にと張飛に剣を差し出した。

やっと家に帰りついた劉備に、無事戻ったことを喜ぶ母だったが、息子が剣を身に着けていないことに気付く。劉備がことの顛末を話すと、激高した母は土産の茶葉を川に投げ捨ててしまう。中山靖王劉勝の末裔としての誇りを失うに等しいと嘆く母に、劉備は剣を手放すべきではなかったと反省した。

黄巾賊と戦うための義勇兵を募集する高札を眺めて溜息をつく劉備に、張飛が自分と一緒に立ち上がろうと声をかけてきた。劉備はつい自身の出自を話してしまい、然るべき時を窺っているだけだと答える。興奮した張飛は劉備に剣を返すと、再会を約束して別れた。
張飛は一刻も早く義兄の関羽雲長に劉備のことを伝えたくて、定刻を過ぎて閉ざされた県城の門を無理に越えようとして門兵を殺害してしまう。そうして夜遅くに関羽の元に辿り着き、関羽をたたき起こして劉備のことを話した。しかし冷静な関羽は、そんな話を簡単に信じるべきではない、と張飛の短慮を諫める。

翌日、門兵を殺害した罪で兵隊に取り囲まれた張飛だが、暴れまくった挙句の死体の山を尻目に劉備の家へ向かった。
関羽に会わせたいと話す張飛に、時機が来たのだと決心した劉備。そこへ百人ほどの軍隊が張飛を捕らえに来たが、騎馬で駆けつけた関羽が軍隊を言いくるめてその場を収め、かねてよりの計画を実行に移す時だと思って劉備に会いに来たと告げた。
こうして運命の出会いを果たした三人は、花が咲き誇る春の桃園にて義兄弟の誓いを交わした。

「我ら三人、生まれた日時は違えども、兄弟の契りを結びしからには、心を同じくして助け合い、困窮する者たちを救わん。上は国家に報い、下は民を安んずることを誓う。同年、同月、同日に生まれることを得ずとも、同年、同月、同日に死せん事を願わん。皇天后土よ、実にこの心を鑑みよ。義に背き恩を忘るれば、天人共に戮すべし。」


【青空文庫】
吉川英治 三国志 桃園の巻


【参考】
桃園の誓い - Wikipedia
英雄たちの物語はここから始まった!「桃園の誓い」とは?


【PV】
www.youtube.com