【チーム編成】
吉野
ソテツ
柘榴
シン
ネコメ
【原典/翻案】
ジャコモ・マイアベーア作曲
歌劇「悪魔のロベール」
【曲名について】
意味:隠れ家、隠遁所、俗世間を離れて生活する場所
【あらすじ】
・ロベール:ノルマンディー公爵
・ベルトラム:ロベールの友人
・アリス:ロベールの乳兄妹
・イザベル:シチリア王女
シチリアの酒場。ロベールがベルトラムと飲んでいると、店を訪れた吟遊詩人のランボーが故郷のノルマンディーでは有名だという「悪魔のロベール」の噂話を歌にのせて語り始める。
「先代ノルマンディー公の娘が王子を装った悪魔と恋に落ち、現公爵のロベールが生まれた。彼は女とあらば手当たり次第の男で、ノルマンディーから追放された。」
怒りに震えながら自分がロベールだと名乗ると、ランボーは歌の内容はあくまでも噂だと釈明し、ロベールに手紙を届けるために婚約者と一緒に訪れたと許しを請う。同行していた婚約者はロベールの乳兄妹のアリスだった。
アリスはロベールの母から遺言状を預かってきたと言うが、ロベールは受取を拒む。二人はお互いの近況を語り合い、ロベールはシチリア王女のイザベルと恋仲になったが、シチリア王の反感を買い彼女に会えなくなったと話す。そこへベルトラムが近付くと、故郷で見た絵画の悪魔の顔にそっくりな彼を見てアリスは恐怖に青ざめる。
イザベルとの結婚をかけた御前試合が行われることになった。
しかし、「イザベルの婚約者候補の王子が、御前試合の前にと決闘を申し込んできた」とベルトラムから聞かされ、ロベールはそれが罠とは気づかず決闘場所の森へ一人で出かけて行く。その結果、御前試合の開始時刻に間に合わなかったロベールは不戦敗となってしまった。
洞窟の前でアリスと待ち合わせをしているランボーの前にベルトラムが現れた。ベルトラムはランボーに金貨の包みを渡し、「結婚なんてつまらないことはやめて、この金で好きに生きればいい。快楽こそが人生だ。」と囁く。その気になったランボーはアリスを待たずに遊びに行ってしまった。
洞窟から悪魔の合唱が聞こえ、ベルトラムが洞窟に入っていく。すると、入れ違いで洞窟前にやって来たアリスの耳に、洞窟の中からロベールの名を呼ぶ禍々しい声が聞こえてきた。驚いたアリスは傍の十字架の碑にしがみつく。
「今夜0時までに我が息子ロベールを悪魔の世界に引き入れないと、永遠に離れ離れになってしまう」
そう呟きながらベルトラムが洞窟から姿を現した。そしてアリスに気付くと、全てを知ってしまった彼女を殺そうとするが、十字架に抱きついているためベルトラムには手を出せない。そこへロベールが現れ、その隙にアリスは逃げ出す。
御前試合に出場できなかったと泣きつくロベールに、ベルトラムは廃墟の修道院にある魔法の枝を手に入れろと伝えた。その枝を持つ者は他人から見えなくなり、その場にいる全ての人を眠らせることができるのだ。
修道院に先回りしたベルトラムは、敷地内の墓に眠る尼僧たちを呼び起こし、ロベールが魔法の枝を取るよう誘導しろと命令する。恐怖心から躊躇いを見せていたロベールだったが、尼僧たちの誘惑によりついに枝を手に取る。
「これで彼は我々のものになる!」
悪魔たちの勝利の声が響く中、ロベールはイザベルの元へ急いだ。
シチリア城ではイザベルとグラナダ王子の結婚の準備が進められている。到着したロベールが魔法の枝を振ると、城の人々はみな眠ってしまった。ロベールはイザベルだけを眠りの魔法から解き、一緒に逃げようと告げる。だが、目の前で悪魔の笑顔を浮かべるロベールに恐怖を感じたイザベルは彼を拒否する。ロベールは絶望して魔法の枝を折り、目覚めた城の騎士らに追われて城から逃げていった。
共に教会に逃げ込んだロベールに、魔法の枝を折ってしまった代償として仲間になれとベルトラムが告げる。ロベールが正体を問いただすと、ベルトラムが父であり悪魔であること、さらに今夜0時までに悪魔の仲間にならないと、ベルトラムとは永遠の別れを迎えることになると聞かされる。動揺するロベールだったが、そこへアリスが駆けつけると、イザベルの結婚が取りやめになったからと彼をイザベルの元へ連れて行こうとする。アリスは迷うロベールに彼の母の遺言状を取り出して中を見せる。そこには「お前の父である悪魔の言葉に従ってはならない」と書かれていた。ちょうどその時に0時を告げる鐘が響き渡り、地面が割れて地獄の火柱が立ち上がると、ベルトラムを包み込んで消えていった。
【参考】
・悪魔のロベール - Wikipedia
・悪魔のロベール(マイアベーア)あらすじ|フランスオペラの楽しみ
【PV】
www.youtube.com