【ブラスタ】BLACKSTAR~Theater Starless~ 曲 解説メモ

ブラスタの公演楽曲、演目の原典等について調べたことを書いています。

ONLY IF


【原典/翻案】
フランシス・スコット・フィッツジェラルド 著
小説「グレート・ギャツビー」


【主な登場人物】
・ニック・キャラウェイ:物語の語り手。
・ジェイ・ギャツビー:豪邸の住人。
・デイジー・ブキャナン:ニックの又従兄弟で、ギャツビーの元恋人。
・トム・ブキャナン:デイジーの夫。既婚者の愛人がいる。
・ジョーダン・ベイカー:デイジーの旧友。


【あらすじ】
戦地から戻ったニックは、ニューヨーク州ロング・アイランドのウェスト・エッグに移り住んだ。ウエスト・エッグの目の前の湾を挟んで、対岸の高級住宅地イースト・エッグには、友人のトムとその妻でニックの又従兄弟のデイジーが暮らしていた。
ニックは、デイジーの友人のジョーダンから、隣の広大な芝生の庭に大理石のプールを備えた豪邸の住人がジェイ・ギャツビーという富豪だと教わる。

ニックはある日の晩、隣家の庭に男の姿を見かけた。男は目の前の真っ暗な海に向かって、震えた手を伸ばして佇んでいた。その視線の先には対岸の緑の灯火が見えるだけだった。

ギャツビーは悪事に手を染め、あらゆる手段を使って財産を築き上げると、元恋人のデイジーが暮らす邸宅の見える対岸に豪邸を買い、いつか彼女が訪れることを期待して、誰でも自由に参加できる豪華なパーティーを頻繁に開催した。そして、パーティーの参加者に彼女の知人がいないか探すうちにジョーダンとニックに辿り着いた。

ギャツビーが、デイジーと引き合わせてほしいと言い出せずにいることを察したジョーダンは、ニックに再会のお膳立てを依頼する。
トムに内緒でと念押しされたデイジーがニックの家を訪れた。そこで再会を果たした二人は、頻繁に逢瀬を交わすようになっていく。ニックは、過去を繰り返すことはできないとギャツビーに忠告するが、ギャツビーは何もかも元通りにして見せると言い切るのだった。

二人の関係がトムの知るところとなり、ギャツビーとトムが激しく言い争いをはじめた。取り乱したデイジーは、ギャツビーの車を運転してその場から逃げ出す。そして、道路に飛び出してきたトムの愛人マートルを撥ねて、そのまま逃走してしまった。
マートルの夫は、目撃情報にあった車を探した。トムがギャツビーの車だと教え、轢き逃げ犯がギャツビーであるかのように吹き込むと、マートルの夫はギャツビーを撃ち殺し、自らも拳銃自殺してしまう。
デイジーはギャツビーが自分の身代わりになったことを知っていたが、彼の葬儀には顔を見せず、当日はトムと一緒に旅行に行くのだった。

田舎に帰る決意をしたニックは、ウェスト・エッグを離れる直前の夜、ギャツビーが渇望した未来に思いを馳せながら、対岸の緑の灯火を眺めていた。


【参考】
スコット・フィツジェラルド『グレート・ギャツビー』の登場人物、あらすじ、感想 | 文学ブログ


【MV】
https://www.youtube.com/watch?v=mIVQgxuicn0


【歌詞(MVより)】
2022/04/24 歌詞を削除いたしました。


【歌詞の雰囲気和訳】
夜通しパーティをしよう
ロールスロイスは俺の集大成
そうさ、大理石のプールに
真鍮の足置きの煌びやかなバーカウンター

流れている曲がチャールストンに変わる
シャンパンが好きじゃないやつは誰だ
もっともっとおしゃれにいこうぜ
誰がだれかなんて気にしないさ

俺を眠らせるな
暗闇に浮かぶ緑の灯火を見るのさ
ばかばかしいな
おまえ以外のものはすべてお金で手に入れた

明日はもっと速く走ろう
かつてないほどのスピードで
明日はその手段を探そう
かつてないほど賢明に

両腕を遠くへ差し出そう
光り輝く陶酔に満ちた未来
両腕をもっと先へと差し出そう
すべてのことから解き放たれ自由になる

おまえと一緒なら


【和訳参考】
「Double R」
ロールスロイスのスラング。転じてお金持ちの意味でも使われる。

「brass rail」
カウンターテーブルの裾に沿って取り付けてある、足を置くための真鍮製のレール。

「greenlight」
ギャツビーが住む成金の住宅地とは対岸にある、古くからの資産家の邸宅であるデイジーの家の船着き場の端に灯されていて、ギャツビーの渇望の象徴、富やアメリカンドリームの象徴として本文中に描かれている。

「Benji」
経済学者ベンジャミン=フランクリンの略称だが、100ドル札の肖像画に使われていることから、お金を指す言葉として使われる。日本でいうところの『諭吉さん=1万円札』。